舞台「ねじまき鳥クロニクル」を観てきました

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東京芸術劇場プレイハウスで上演中の舞台「ねじまき鳥クロニクル」を観てきました。

芝居 と言っていいのか戸惑う作品

まーーーなんでしょうねこれ。あの空間。あのひとたち。

単純に「芝居を観てきた」と言っていいのやら・・・って気持ちになって帰ってきましたw

ダンス?ミュージカル?芝居?

そのどれもであり、どれでもない。観たことないぞこんなの、と思いながら観ていて

私の頭が「ねじ式」になったようでした。
※つげ義春…知ってる??

パーソナルに入り込んでくる表現の連続でした

シンプルなセットを大胆に動かして、「今いる場所」を表現する手法は、とてもスタイリッシュ。

しかし「今この時に個々が持つ感情」は、すべてが役者とダンサーさんの動き・ポーズで表現されていきます。

良いお芝居って、物語を受け取って、その解釈について誰かと話したいとか、自分が感じたものをアウトプットしたい気持ちになることが多いと思うんですよね。

俗にいう「語りたくなる」っていうやつ。

でもね、ねじまき鳥クロニクルは、自分の内側をのぞき込むような感じになるんです。

議論を求めないというか、すっごくパーソナルな部分にしみ込んでくる感じ。

そういうお芝居でした。

ねじまき鳥クロニクル のあらすじ

岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていた。
ある日、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれる。

やがてトオルは思いもよらない戦いの当事者となっていく。
トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。

トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。

そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。
クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。
クミコに戻る意思はないと。

トオルは自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会う。
それによりクミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。

そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。
何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。
クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。
暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。

“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか?
トオルはクミコをとり戻すことができるのか───。

引用元:https://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2020/

ちょっとね、あらすじ読んでも意味分かんないですよね(笑)

原作はたしか、20代半ばに読んだような気がする・・・あまりよく覚えていない。

舞台を観て「え、こんな結末だったっけ?」とか思ったんで、実は最後まで読んでいないのかもしれません ←

妻を取り戻すために、深く深く井戸の底へ。まるで神話の「オルフェウス」みたいだなって思いました。

身体表現の奥深さを感じる

さて、それで舞台「ねじまき鳥クロニクル」ですが。

なにってダンサーさんを始め、出演者さんたちの動きがステキです。

トリッキーでダイナミックな動きにはただただ感嘆。

皆さん、素晴らしく美しい!!

すべての感情・状況表現を、身体の動きで表現してる。

これね、面白いですよね。言葉から受ける意外性が刺激的な村上氏の作品を、言葉を削いで表現するっていうのが。

こんなことできるの?と思うような動きもあり、堪能いたしました。

美術館でのパフォーマンスを観たような気分になりましたわ。

 

成河くんの身体能力の高さは知ってましたけどね!他の方々もすごい・・・

特にね、吹越満さん。ものすごい長台詞を言いながら、奇妙なポーズで抱え上げられ、運ばれて逆さになる(!)

そのままずーっと台詞を言ってるんですよ。その内容がまた、凄惨ですさまじい。

舞台映像PVにも少し、映ってますが本当に、すげーーーーーー!!!ってなります(゚∀゚)

役者さんが発する言葉の説得力に加えて、予想外の身体の動きで、自分の気持ちがとんでもないところに連れて行かれるんですよ。

こんな舞台は初めて観た!

 

渡辺大知さんは初めましてでしたが、自然体でいいですね。バンドのヴォーカルさんなの?

実存感がないというか、不思議な魅力のある方でした。

成河くんとふたりで、「岡田トオル」という人物を表現するんですけど、体格もお顔も全く違うのに、フシギにハマる感じ。

門脇麦ちゃんは、思春期を抜ける頃の女の子の危うさをすごく自然に表現。

お手紙のシーンはとても可愛いかったわん。

んで、謎の女の声はサイコーにエロい。好き。

大貫勇輔さんが怖い人の役で出てるのがとても新鮮でした(個人的に)。

あとねあとね、徳永えりちゃんが!あんなに動ける人とは知らなんだ。

大貫さんと踊る、というか、肉体的に酷い仕打ちを受けている様子をダンスで表現するんだけど、アクロバティックな動きですごかった。

徳永えりちゃんは、私の中ではブラッディ・マンデイの安斉真子だったもんで(古すぎる)。

キャストも美術もとっても贅沢で、じっくりと自分の内に浸れる作品でした。

もう一回観たい!

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