六本木の俳優座劇場で公演中の、「End of the RAINBOW」2016年版、観に行きました。
今後も何回か観に行きますが、現時点での感想を書いておこうかなと思います。
大好きなお芝居だったから、1年経たずに再演があると聞いて大喜び。
観ると苦しくなるのに、なんでこんなに好きなんだろね(笑)
End of the RAINBOW(以下EotR)のあらすじは、昨年の記事でコッテリ書きましたので、物語についてはそちらをお読みいただけたら嬉しいです。
俳優座劇場は、2015年の公演場所だったDDD青山クロスシアターに比べ100席ほど多い。けど、やっぱり小さな劇場なので、あの濃密感は失われないといいな~
と期待して観に行きました。結果、劇場のキャパなんかどうでもいいくらい、芝居が濃かった。良かった(笑)
2015年はミッキー・ディーンズ役が小西遼生さんと伊礼彼方さんのスイッチだったんですけど、今年は遼生さんが単独キャストに。
そして今年はインタビュアー・ポーター・舞台監督助手役を寺元健一郎さんが演じてらっしゃいます。
ジュディ・ガーランド役の彩吹真央さん、アンソニー役の鈴木壮麻さんは続投。役者の皆さま本当に魅力的で、何度観ても飽きません。
さてここからは、現時点で感じていることをつらつら書いていこうと思います。
いつもだけど、私の主観全開なので、作り手の意図とはズレてる可能性があります。ご承知おきください(笑)
あとネタバレを気にせず書きますんで、お話を知りたくない方は気をつけてねん。
2015年との違い、個人的に一番大きいのはミッキーとジュディ、ミッキーとアンソニーの距離感。すごくね、近い。近く感じる。
ミッキーとジュディは婚約してるんだから近いのは当然、なんだけど、2016年版を観たら、前回はここまで近くなかったって感じた。
なんていうんだろ、お互い求めあってる感が強いというか。
ミッキーが少し大人になってるように感じるからかなぁ。
ちょっとした違い、例えば開演すぐの
「もういい、よそう」
って台詞とかね。イラつきのない、いなすような響きが、余裕を感じる。もっとクソガキだったと思うな、2015年は(笑)
ミッキーとアンソニーは、前回はお互いがジュディを利用してるだけ、と反目してたように思うけど、今回のは「相容れない種類の生き物として、眺め合ってる」感じに。
劇中、ほんのひと時だけど、ミッキーとアンソニーはそれぞれにジュディを愛してる、って認め合う時があるのよね。
その瞬間の3人の距離が、すごく近い。男たちはそれぞれ、ジュディの中にある、違うものを見てる。そしてジュディは、そのどちらにも寄りかかろうとしていない。
アンソニーは、共にショービズ界に生きるものとして「客に飽きられ不要になること」への怖れを見つめてて、その怖れと無縁の世界にジュディを連れて行こうとする。
ミッキーは、ジュディの「スターとして求められ続けたい」という執着を見つめてる。だからこそ、薬も酒も縁を切らせようとしたのに、ステージから逃げ出す事態になって、薬を与えてしまう。
ミッキーが予想していた以上にジュディは深く壊れていたし、アンソニーが思っていた以上に、ジュディはステージに立つことに執着があった。
ギュッと近くに寄り添っているのに、ピースがカチッとはまらない感じが、もどかしくてすごく、せつない。
これが単に男たちの勘違いなら、こんなに切なくならないんだよね。重点の置きどころが違うだけで、ジュディに幸福であって欲しいのは、アンソニーにしろミッキーにしろ同じこと。
だからせつない。うううジュディ(滂沱
そして今回、私にはジュディのユーモアあふれる賑やかさが、なぜかすっごいクるのです(悲)
異端を生きる人って、煙幕を張るよね。それが怖そうに感じさせる威嚇だったり、本心を見せまいとするおふざけだったりする。
話題がコロコロ変わるのは、じっと考察し奥にある気持ちを見透かされまいとするから。言動も行動も支離滅裂だけど、それは単にラリッてるからじゃない。
本当に引き裂かれそうな揺れの中で生きてたんだろうなって感じて、ジュディがはしゃいでても泣けてくる(涙)
悲しい悲しいばっか言ってるけど、お芝居は悲しいばっかりじゃありません。笑っちゃうシーンも多いし、相変わらずラブシーンも濃厚で嬉しい(喜)
私の愛する小西遼生さんも、今回のミッキーはヒゲありで、妖しさが増しててよりステキだし。あああ早くまた観たいぞ!!
そんなこんなで楽しんでおります、2016年版EotR。東京公演は2016年7月24日まで。7月27日には大阪サンケイホールブリーゼで2公演、大千秋楽は茨城県の水戸芸術館ATM劇場で7月30日、こちらも2公演。
詳しくは公式ページでご覧くださいませ
>>End of the RAINBOW 2016公式ページはコチラ
まだまだ続くし、ちょっとずつ変化していくのかなと思うと楽しみな芝居です~
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