2015年10月末、舞台「ブロッケンの妖怪」を観ました

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俳優・竹中直人さんと生瀬勝久さんがタッグを組んだ「ブロッケンの妖怪」を観ました。

おふたりの「竹生企画」の、第二弾上演作品なんだそうですね。

初日を観たかった、というわけでもなかったんだけど、たまたま一番近い劇場でやる日が、初日でね。

北千住のシアター1010で観てきました。

日本屈指の個性派俳優さんのタッグに加えて、佐々木希ちゃんの初舞台、ということでも話題になった作品でしたが、期待通り面白かったわ~。

竹中さんと生瀬さんのやり取りだけでモト取れると思ったよ(笑)

お話はだいたいこんな感じ。

 

竹中さん演じる絵本作家は、創作に行き詰っていた。仕事が止まっているのを見かねた真面目な編集者の生瀬さんは、湖畔の邸宅で起きるという「ブロッケン現象」を作家に見せようと考え、竹中さんの愛人である安藤聖さんも伴いやってくる。

館の女主人である高橋惠子さんは、上品かつ丁寧にふたりを迎えてくれるけど、予定の時間になったら必ず帰ってくれときつく言う。ここまで案内してくれた船乗りの田口浩正さんも、なぜか2人を粗略に扱う。

館の大事なひとり娘であるはずの佐々木希さんは、母と反目している様子で反抗的。使用人である大貫勇輔さんも、お嬢様であるはずの佐々木希さんをひどく邪険に扱っている。

なんとなーく変だぞ?と感じていると、竹中さんは館の中で行方不明に。ブロッケン現象も見られたし、もう用事はないはずなのに・・・と、帰る約束の時間を過ぎても居残っている客人に苛立ちを隠さない館の人々。

やがて、館から見えるブロッケン現象は、違う様子を見せ始めて─────

 

ブロッケン現象というのは、濃霧など細かい水の粒をスクリーンにして、背後から光を受けて影が映る現象だそうです。富士山の山頂で見える、ご来迎がこの現象だと言われてますね。

影の周囲に虹が出来ることから、神々しいイメージもあり、神秘的な現象としてとらえられるんでしょうかね。

で、このお話の館は湖の中に建っていることもあり、そっくりな館が向かい側に見える、というだけのはずだったのに、実はどんどん近づいてくる。そしてふたつの館は向かい合う。

向こうの館には、姿はそっくりだけど全く違う人生を歩んでいる人々がいて・・・

というお話でした。

パンフレットはシンプルな作りですが、意外と記事も多くて読み応えありましたよん

 

竹中さん・生瀬さん・希ちゃん・大貫さんは2役。まったく違う人物像をそれぞれ演じてらして面白かった~特に竹中さん生瀬さんはさすがで、大笑いしちゃった(笑)

希ちゃんは発声やら動きやらに課題ありだとは思う。けど均整の取れたスタイルは本当に綺麗で、持って生まれた資質を活かして頑張って欲しいと感じました。舞台映えするよね~背も高いし、手足も長いし、顔のパーツがハッキリしてて本当に可愛かったわ~。

後から出現する大人しくて内気なお嬢さんより、悪っぽくて生意気な方が良かったな~。美人は悪女が似合うよね、やっぱ(笑)

 

館がどんどん近づいてくるところとか、嵐の湖の様子などはプロジェクトマッピングで表現しつつ、もうひとつの館の中は階段やドアの配置が左右反転するなど、アナログなしかけも。

マッピングは人物も登場するなど、ちょっとあざとさもあったけど許容範囲かなと思えました。

「あっちの人生も良さそう」とか、「この人生がもし、違うものであったなら」と考えてしまうことは誰にでもある。羨ましい人生と入れ替われるなら、試してみるかも。

でも結局、自分の人格にふさわしい人生が待ってるもんだよね、と考えながら帰ってきましたよん。

ホラーかなと思ってたらファンタジーで、しかもかなり笑えたし、ラストはほっこり出来て良かったです。竹中さんと生瀬さんの、次の企画はいつになるか分からないですが、ぜひまた観たいですね~。

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