本当に最近、ブログのネタが舞台の感想ばっかりになっており恐縮です。
運動もしております。やり方がちょっと、前とは変わって来たね。美容品もあれこれ試しております。
ネタはたくさんあるはずですが、なんせ舞台の話が一番したい。
そのため、こんなことになっております(汗)
で、ここんとこ観た舞台の話も、まとめて書こうかと思ったんですけど、ほら私って話が長いじゃない?なのでやっぱひとつずつ書くことにしましたわ。
11月にスリル・ミーを観て以来「彼」病になってました(=小西病が深まった)が、帳尻を合わせるかのように、楽しい舞台を多めに観てました。
でも一番好きで印象に残ったのはドロドロしたやつだったりする。わたくし明るいようで実は、根暗なのかしら~?
その強烈に印象に残ったのは、世田谷パブリックシアターで上演中(2014/12/28まで)の「鼬(いたち)」。
鈴木京香さん、白石加代子さん、高橋克実さん、江口のりこさん、赤堀雅秋さんと、芸達者揃いの出演者に惹かれ
「この顔ぶれで芝居やって、つまんないわけないよね!!」
と鼻息荒く観に行きました。そして予想通り、その芸達者ぶりを思う存分堪能してこれましたわ。いやー何だろうねーあの人たち、なんであんなに芝居がうまいの(笑)
ものがたりは昭和初期、東北のあるところに、没落した旧家(もとは宿屋)がある。長男で当主の萬三郎(高橋克実さん)は南洋に出稼ぎに行ったままになっている。
年老いた母のおかじ(白石加代子さん)が家を守っていたが、家屋敷は借金のカタに抵当に入っており、今日明日にも明け渡さなくてはならない。
それだけでも酷い状態なのに、娘のおしま(江口のりこさん)は亭主が監獄に入ってしまい、子どもを連れて戻っているというありさま。おしまは酒をあおっては周囲に悪態をつくばかり。
そんな中、債権者である人々が屋敷へ入り込み、それぞれの取り分を巡って腹をさぐりあう。
そこへ豪奢な身なりで帰って来たのは、先代の娘のおとり(鈴木京香さん)。おかじとは義理の姉妹にあたるが、若いころから悪さばかりしていたおとりを、おかじは心底憎んでいた。
おとりは度胸と悪知恵で上州で成功しており、金持ちになっていた。周囲の人々がおとりへの態度を変える中、おかじだけは「死んでもお前の世話にはならない」と突っぱねる。
しかしおとりは「もうすぐ萬三郎が帰ってくるよ」と、母親のおかじも知らないことを言い出し────
と、いうお話。
この芝居、特にビックリするような展開はないんです。テーマは何?って聞かれても、なんとも言えないな~って感じ。あえて言えば、「生きることへの執着」ってところでしょうか。
全編東北弁みたいだなーというなまり言葉で進んでいくんですけど、劇中で「いわき」という地名が出てくるあたり、いわき市育ちの私には嬉しくなっちゃうとこでした。
でも、はっきりと「どこそこ地方のことば」って言えないような感じ。
だいたい方言って、標準語で話すより感情がむきだしに伝わるというか、そんな感じしない?
そして同じ悪態でも、キレイな言葉で言うよりなんか愛嬌があるような気がする。
そのせいなのかこの話も、全員がおねだりしてるか悪態ついてるか説教してるかという寒々しい状況のはずなのに、なんだか可笑しい(笑)
パンフレットは千円でしたが、読みごたえがあってお得でしたよん
登場人物のほとんどが、誰かのことを面罵するシーンが多くて、本当なら かなり気分が悪くなるであろうところ、なぜか痛快に感じてしまう(笑)
血縁や土着の深い関係性だからこそ繰り出される、容赦のないおねだりとか罵り合いとかが、
「ここまで言えたらどんなに気持ちいいかしら」
と感じてしまう。昭和初期ということで、現代とは「欲」の濃さが違うというか、本当に命がけで欲張ってるのよね、みんな。登場人物の中では、鈴木京香さんがもう筋金入りのワルなんだけど、美しさや気風の良さもあって憎めない。
そして白石加代子さんとのやりとりは物凄い悪罵の応酬なのに、なんだか気持ちよくなってきちゃうの(笑)ほんと皆さん芝居がうまい。胸がすくようなうまさです。
と、いうわけで「鼬(いたち)」はとても面白かったよ~、って話でした。も一回観たいなぁ。
コメント