好きすぎて、「好き」って人に言うのがためらわれるってことがあります。
わたくしにとって、西原理恵子氏と筒井康隆氏はそんな人。
表面の毒の奥底に、誰にも真似のできない深い深い慈愛と、冷徹なまでの観察眼がある。
この人たちの頭の中は、いったいどうなっているんでしょ。
ずっと以前から「泣ける」と話題のこの絵本ですが、基本的に西原氏の本はそのほとんどが「泣ける」もの。
しかも「可哀想で泣ける」とかでない、魂をわしづかみにされたように感じる慟哭、です。
西原氏はきっと、「少年少女」を愛してやまない人なのでしょう。
亡くなったご主人の鴨ちゃんも、少年そのままの純粋さを大人の身体にもてあましていたようですし。
さてこの「いけちゃんとぼく」、今までの西原節と似ているけどちょっと、違う。
淡々と進む展開。あらら、絵本ってことで毒を薄めたら、こんなにも淡々としちゃったのかしら・・・と思っていたらラスト4ページでやられます、「魂わしづかみ技」。
人前で読むのは止めたほうがいいですよ。
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