スタジオジブリの映画はだいたい観ておりますが、特に「千と千尋の神隠し」と「となりのトトロ」はだいすきでして。
まーすごい回数リピートして観てると思います。冬は千と千尋、夏はトトロ。
なんか季節の風物詩。
ちなみに春はラピュタですw
千と千尋が舞台化される、って聞いたときはびっくりしたけど、今や「舞台化不可能」な作品なんてない印象よね(笑)
舞台化に向いてる・向いてないは作品によってきっとあると思う。
でも作り手側が「難しい」と思う作品と、見る側が「難しいだろう」と思う作品って違うんでしょうね。
条件が違うというのかな。
この作品の場合、アニメが超・超有名で観てる人が多いからこそ、通用する点もあるんだなぁとしみじみ思った次第です。
舞台で生身のお芝居をするにしても、マッピングを使ってアニメのような世界観を表現することも可能でしょ。
舞台版の攻殻機動隊はそうだったし。千と千尋も、そういう風になるのかな?と思ってたらまったく違ってびっくり。
マッピングは背景と、銭婆の式神(紙の鳥みたいなやつ・しかもそれも人力が主で、マッピングは補足的に使われてる)だけで、あとはすべてがマペットを人力で動かすという手法。
巨大化するカオナシも湯婆の顔もすべてね。
釜爺の腕は、担当者がつき過ぎな気もしたがw
人形浄瑠璃とかなら黒子が動かすようなところをさ、普通にお顔が出てる役者さんが操っててたのしかった!
精巧なマッピングや仕掛けに慣れてる今、すべてが人力なのは新鮮に感じたし、何より「芝居は身体性」だということを改めて認識しました。
いやほんと役者さんたちすごいよ皆~!
そうそう、体が透ける、など生身では無理な表現がアニメにはあるじゃないですか。
あと川の神さまから引き出される大量のゴミなど、物量を必要とするものもね。
あれは舞台でどう表現するんだろう?と思ってたの。ここも布などを使って、しっかり演劇的に表現されてました。
アイディア次第で なんでもできるもんだなぁと感心することしきりです。
ストーリーは映画の通り。セリフもまぁほぼほぼ同じ。セリフの抑揚というか、トーンもほぼ同じで、このへんは映画を鬼リピして観てる人ほど驚くんじゃないだろか。
千尋のママのちょっと冷たいトーンとか、パパのお調子者な感じとか、リンの「あたいにおしつけんのかよ」「とりけすぞー!」などなどのおなじみのセリフもまったく違和感なし。
テンポは映画のほうがいいけど、そこはやはり人力で表現する以上、速度に限界があるかなと思いましたよん。
千と千尋って、八百万の神さまが出てくるでしょう。なんかひよこみたいなのとか、なまはげ?とかいろいろ。
あの神さまたちもわんさか出てくるので楽しいよ!
腐れ神と勘違いされる川の神さまも、あのコロン・デロデロとした姿のまま出てくるw
わたしは千尋が湯婆のところへ契約に行くときに、エレベーターに同乗する神様が好きなのね。そしたら舞台上に出てきたので喜びのあまり笑いすぎて苦しかったわw
あの神さまのマスコットってないんでしょうか。すごくほしい。
デッサンの狂ったかわいくないやつは見たことあるけどあれはイヤだw
神さまといえばね、千と千尋の世界観の何が好きって、「神さまが癒しを求めてお風呂へ入りに来る」ってとこなんですよ。
お湯に浸かって疲れをとり、ご馳走を食べて英気を養う。非常に日本的であり人間くさいのがイイじゃないw
橋本環奈ちゃんご本人を見たのは初めてですが・・・まー-----ほんとー--に可愛い!!
なんなのあの可愛さ。神がかってる。造りものみたいだった。
この作品が初舞台なんだそうで、人気ものは期待されることも大きくて本当に大変だよねと思っちゃいました。
発声や身体の動きは正直、いまひとつだったけど、帝劇が初舞台(しかも主演)というプレッシャーの中、のびのびと演じておられたように感じましたよん。
長丁場をどうか頑張って、やり切ってほしいです。
上白石萌音ちゃんは身体表現がものすごくてもう!!
術で走らされてるときは足が後から跳ね上がる感じで、本当に「引っ張られてる」んですよ!
スピーディなので魔法が使われている説得力がありました。
空間を落ちていく、とか、空に浮いている、ってところも人にリフトされてるんですけど、手足の浮遊感がハンパなかった。
芝居は文句なしに巧いし、ますます好きになっちゃうわ~
ハクの三浦宏規さんの身体能力にも驚いた。バレエをやってらしたと知らなかったので。美しい動きで凛々しかったわ~。
もうひとりのハク、醍醐虎汰朗さんもキレのよい動きでした。
おふたりともハクの冷たい時と優しい時の切り替えがうまかったな~
夏木マリさんの湯婆は映画とちょっと違ってて、人間味が増してたように思う。そして銭婆はとことん優しかった。
朴璐美さんの湯婆はね、バタくさいというかなんか外人さんぽいのw損得勘定によりシビアな感じがして面白かったです。
そういえば千尋のパパは大澄賢也さんなんですが、湯屋の兄役も兼ねていたことに2回目で気づきました(遅w
ママとリンが同じ女優さんなのはすぐわかったのに~
カオナシは2回とも菅原小春さんで観ました。思ったよりずっとアグレッシブに動いてる、と思ったらスンッと気配が消えるのがすごかった。
カオナシは「自分が無くて、だれかと一緒にいたいだけ」って感じの存在ですが、小春さんは存在感強めで好きでした!
カーテンコールでは元気いっぱいでしたw
上に挙げた、私が繰り返し見てるジブリ作品ってどれも、
「子どもはちゃんとやっているし、やっていけるよ」
って話だと思ってるんですよ。千と千尋は特に、成長幅が大きい話ですよね。
神秘的でもあるし、ちょっと怖さもある。
あとは、「あなたが忘れていても、誰かは覚えているものだよ」ってメッセージも感じるの。
だから特に好きなのかもしれないなぁ。
神隠しから帰った千尋一家はどうなったんでしょね。車のエンジンはかかったから、何年もは経ってなさそうだけど。
一家で行方不明になった、って騒がれたりしたのかとか、引っ越し代の支払いやパパの勤め先はどうしたんだろーとか、どうでもいいことを考えるのもたのしいw
舞台「千と千尋の神隠し」は2022年7月まで全国で上演されます。カンパニーの皆さまがお元気に、最後まで上演できることをお祈りしております!
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