ナターシャ、ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812(長い)
初日を観てきました。
私の観劇強化月間 平成最期の冬の陣 が始まったわけですが
いやーこれね、ホントに!
これまでにない演目で素敵よ!
主演は井上芳雄さん、生田絵梨花さん。
そして私の愛する小西遼生さん・・・私のファン歴で最悪の
眉目秀麗超ド級セクシー極ゲス野郎を演じておられます。
・・・好き(º∀º) ←
客席舞台混合一体の舞台美術や演出が話題の作品で、そっちに興味をそそられてましたが、ホントにすごい。
エンタステージさんのページに動画があります
【動画】『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』公開ゲネプロhttps://t.co/iSlIOTuXN7#井上芳雄 #生田絵梨花 #小西遼生 #霧矢大夢 #松原凜子 #水田航生 #はいだしょうこ #メイリー・ムー #原田薫 #武田真治#グレートコメット
— エンタステージ (@enterstage_jp) 2019年1月8日
始まったらまぁ見どころ多すぎてあなた。
コメットS、コメットA、1階客席、2階客席からそれぞれ観たい!
それらのお席を揃えられた私えらい。
というか各FCやプレイガイドからうまいこと来ただけなんだけど。
なんだよ2階席なんぞ寄越しやがって芳芳め!
とか思ってゴメンね芳雄くん。
今となっては感謝しておりますw
まるで客席を縫う花道のように作られた舞台セットは基本シンプル。
奥に半らせんの階段があり登った先にはドアが。
まるで大昔の豪華キャバレーみたいな作りで、非日常感ハンパないっす。
そのほかは移動可能なカウチソファなどしかセットがないのね。
とはいえ、ショボい訳ではありませんよ!
天井からはオーナメントがたくさん下がっててすごく素敵だし
キャストさんたちのお衣装が、ロシア民族衣裳と世紀末覇者パンク(?)の融合みたいでこれまた素敵。
バラガのお衣装着てみたーい!
さて舞台の幕開けは、そのシンプルなセットの、高い場所にある階段から。
アコーデぃオンを抱えたピエール(井上芳雄さん)が出てきます。
あ、あらすじは私の主観と感想入りでネタバレ気にせず紹介しますね!
え、そうだっけ?とか
そうなの?ってことがあるかもしれませぬ。
深くは気にしないでください。私は気にしません ←
ピエールはお金持ちの変人。
生まれが望まれたものじゃなかった上に結婚にも失敗し、愛が何かを知らず、生きる意味を求めるも満たされずに生きてる。
プリンス芳雄くんには珍しく冴えない役・・・みたいなこと言われてたけど、個人的には可愛くてたまらんよ(笑)
台詞がない時もピエールとしてずーっと舞台上にいるの。
たまにコメットシートに紛れ込んでくるし。
お菓子食べたりお人形で遊んでたりするw
1幕のほとんどはセリフもあまりなく ひとり遊びを繰り返してるんだけど、もうすぐ幕間というタイミングで歌う「塵と灰」がもう圧巻。
芳雄くんの歌声を、ほんの数メートルの距離で聴くことなんてまずなかったから余計にキた。
コメットシートAだとお歌の後半、より近くてね。
ヤられます。心地いいです。感動します。
お話はそんなピエールが暮らすモスクワに、伯爵令嬢ナターシャ(生田絵梨花さん)が来るところから始まります。
戦争に行ってしまった婚約者のアンドレイ(武田真治さん)のお家にご挨拶の為に来たんだけど、ナターシャの前途はなかなか多難そう。
婚約者が戦争に行ってしまって心細いところへ持ってきて、ご実家の彼の妹(はいだしょうこさん)や父上(武田真治さんの2役)はナターシャにひどく冷たい。
ここのパート、かなり笑えるw
♪下着姿でイビる~
ってその状況を歌にするんだ(笑)
しょうこおねえさんと生田ちゃんの不協和音デュエットは、なんとも言えずクセになります!
さて落ち込み気味のナターシャ。
名付け親のマーリャ(原田薫さん)が、従姉妹で親友のソーニャ(松原凜子さん)と共に、ナターシャをオペラへ連れ出す。
で、初めてのオペラで興奮・恍惚としているナターシャの前に、現れちゃうんですよ。
とんでもないハンサムが・・・!
彼はアナトール(小西遼生さん)。
この登場シーンがね~
遼生狂いとしてはかなりグッときつつ、ちょっとだけ プッ てきちゃうシーンでもあるw
ガラスの仮面の速水真澄さま役でやらされてた、スポット浴びながらキメポーズでせり上がってくる以上の辱め(言い方
ファンが感じる以上のこっ恥ずかしさを、ご本人は感じておられることでしょう。
恥じらってるんだろうコニシ・・・わかっているよ・・・
さぞ照れくさかろう・・・ふふふふふ
ああモダモダする。もっとくれ(え
さてさて、アナトールはピエールの妻、エレン(霧矢大夢さん)の兄。
しかしこれが揃いも揃ってとんでもない肉食兄妹でございまして。
エレンは男狂いでドロホフ(水田航生さん)という愛人もち。
アナトールも結婚してるくせにご婦人に目がない超プレイボーイ。
そんなこととは知らないナターシャは、その美貌をアナトールにロックオンされ、めっちゃ口説かれちゃう。
婚約者がいるんですとか色々抗ってみるけど、全身からフェロモンまき散らして迫ってくるハンサムを振り払えず。
まんまとハマってしまうのです・・・
ダメだナターシャ・・・そっちの水は甘いけど
ダ メ だ ・・・!
ここもねー。
ナターシャは婚約者もそばにいなくて不安。
他の人たちはちやほやしてくれるのに、婚約者の妹も父上も、親切にしてくれないし。
それもありアナトールに落ちたというのもあるんでしょう。
しかし何より、きっと肉欲を刺激される恋をしたことがなかったんだろうな、って思うのよね。
少女からちょっとだけ育ったくらいの若さで、未熟なわけだし。
アナトールは単に美形なだけじゃなくて、自分の男性的魅力を知り尽くしてるわけだから、そらー太刀打ちできませんて。
実際いるよね・・・どうしようもないクズなのに無性に身体が良くて離れらんない男とか(なにを言い出す)
穢れを知らないナターシャは道を外れるのが怖い。そして本能を刺激されるのも怖い。
だから逃げようとするけど、結局 抵抗しきれず落ちちゃう。
気づいてナターシャ!!
アナトールはただ、美しいあなたと、ヤりたいだけなんだーーー!(大声)
そんな観客の老婆心が届くはずもなく(届いたら芝居終わりますが)。
駆け落ちの計画に乗っちゃうナターシャ。
婚約を破棄し、アナトールの口車に乗って外国へ行こうとする。
ナターシャを口説くアナトールのお歌はどれも好きだけど、1幕ラストの
ナターシャとのデュエットはもーたまらぬ。エエ声。
あと2幕始めの、お手紙の♪ラァブレター のねちっこさね。
好き・・・!(º∀º)
ところで、口説くのはわかるとして なぜ駆け落ちなのか?
それはこの時代、婚約・結婚は基本的に親同士が決めるし、離婚はなかなか認められない(しかもアナトールの妻には何の落ち度もない)。
そして不貞は死刑に値する重罪だったから。
なんだけど、ここはちょっと混乱するところ。
というのも、ナターシャと駆け落ちするんだもん!って言い張るアナトールを、ドロホフが何度か諌めるのね。
その時、「ナターシャが結婚するまで待ちなよ」的なことを言うの。
結婚したら手を出しても重罪にはならないってことなのかな?
実際、エレンはピエールと結婚してるけどあっちこっちで男とイチャついてるし、ドロホフが愛人なのも周知の事実みたい。
て、ことは既婚者同士の浮気はさして罪じゃないってことなのかしら?
未婚者の純潔は神のものだけど、既婚者の貞節は配偶者の考え次第、とか?そういう事なのかしらん。
そのへんの文化がわからないので、ここはもうちょっと説明が欲しいなぁと思った。
そして結婚するまでは待ってられないアナトールw
それはアナトールが単にナターシャと一回寝たいだけじゃなく、自分のものにしたい、つまりアナトールも恋をしてるってことなんだろうけど・・・
やってる事がやってる事だけに、アナトールの恋心には同調できません(キッパリ
アナトールは自分が結婚してることを隠したままポーランドへ渡り、そこで偽の結婚式を挙げ、ナターシャを手に入れようとしたのです。
なんつうゲス野郎・・・!!
気づいてナターシ(もういい
アナトールとナターシャを運ぶのは御者のバラガ。
バラガ役のメイリー・ムーさん、とてもキュート~好き~!
バラガを呼ぶ時のアナトールの声がこれまためっちゃいいので、みんな心して聞いて!!
そしてバラガのお歌の時はエッグシェイカーをめっちゃ振りまくろう!!
こんなヤツ。物販にもあるけど、運が良ければキャストさんに貰えたりするよ!
大胆な駆け落ち(重罪)の前に飲んで騒いでパーリナイッしてるアナトールのおバカ加減も見どころです!
バカ野郎!!
好き!!(º∀º) ←しつこい
そんなこんなで盛り上がったところでいよいよ実行へ。
しかし2人の駆け落ちは、ナターシャを大切に想うソーニャとマーリャによって阻止されます。
どうしてこんなことになったのか分からないマーリャは、かねてより親交のあったピエールに相談する。
マーリャはそこで初めて、アナトールが既婚者であることを知る。
そしてピエールに彼を追い払ってくれと頼む。
アナトールの駆け落ち計画は聞いてたけど、相手がナターシャだとは知らなかったピエールは大激怒。
ピエールはナターシャ一家とは古くからの知り合いだし、元婚約者のアンドレイとは親友。
そら怒るよ(呆
殺しそうな勢いでアナトールを責める。
でも激情に任せて彼を殺してしまったりはしないのがピエール。
アナトールに金を与えて追い払う。
恥知らずな真似をしておいて、侮辱を許さないと怒り、そのくせ差し出された金は受け取ってニヤリと去るアナトール。
最低だ!でも
好きだ!!
すーきーだーー!!←←
華々しく毒気たっぷりのアナトールを演じる遼生さん・・・
さすがこの私が惚れた男・・・!
でもねぇ、困ったことにね。
遼生さんのソロ曲の後、拍手したいんだけどさ。
アナトールがやってる事があまりにも酷くて、讃えていいものだろうか・・・って気持ちになっちゃう。
そんで拍手しづらいのよね(笑)
拍手は演者に対してで役に対してじゃないんだから、良いんだけどねぇ。
モヤモヤするのよーどうしたもんでしょうかね、これ。
アナトールが不実だったと知ったナターシャは毒を飲み、半分死んだ状態に。
ナターシャに会いに行ったピエールは、それまで心にあった彼女を責める気持ちが、憐れみと慈しみに変わっていくのを感じる。
ナターシャとの邂逅を経て帰り道、夜空に大彗星を見たピエールは、それまで探し続けた人生の意味を見つけたような気がするのだった。
歌って踊って大活躍、しかも舞台の作りが特殊で足元が狭いときてるので、キャストさんたちの動きにはホントに感心することしきり。
生田絵梨花ちゃんはもう、ひたすら可愛い。綺麗。
劇中で繰り返し「綺麗、キレイ」と繰り返されチヤホヤされるナターシャにピッタリ。
天真爛漫怖いものなし。
誘惑されてこわがりつつ道を踏み外しちゃう危うさも、
もう何もかもなくした、と絶望の淵にいる洗われたような儚さも、
文句なしに表現されてたと思います。
歌声もすごく、良かったよ!聴いてて気持ちいい。
この演目で初めて生歌を聴いた、存在を知ったキャストさんもいるけど
まぁ皆さんお見事です。
特におおお!!ってなったのが松原凜子さん。
レミゼにエポで出てらしたんですね。歌声すごいんですよ!!
すっごいいい声。そして生田ちゃんとの並びが美しい!
大好き!
あとね、霧矢大夢さんが振り切った悪女でスゲーカッコいい。
ソロ曲の「チャーミング」は めちゃめちゃ残ります!
カーテンコールでの振る舞いもカッコいいの~惚れる~~!
そしてソロプレイこそないものの、楽器を演奏しながらアンサンブルとして演じてらっしゃるキャストさん達も。
すごい活躍なのー!
コメットシートに降りてきたり、客席に座ったり、お手紙くれたりと役者さんとのふれあいも多くて楽しい。
前評判というかブロードウェイ版のレビューとかでね、作品として分かりづらいとか、曲が難解で頭に入ってこないとかよく見たの。
そのたびにちょっと不安になってたんだけど、そんな心配は不要でしたわ。
たしかに曲は難しい。でも自分が歌うわけじゃないからw
劇場に足を運ぶ理由が「非日常空間を楽しむ」「プロの技巧を楽しむ」であるなら、絶対体験するべきだと思う。
そんな作品です、グレートコメット 。
1月27日までの間、せっせと通って楽しみたいと思います~!!
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