舞台「フルモンティ」を観てきました

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東京国際フォーラムで上演中の、山田孝之さん主演の舞台「フルモンティ」を観てきました。

主演が山田孝之さん、演出が福田雄一さん、共演者にムロツヨシさんときては、観に行かないわけにはいきません。「勇者ヨシヒコの冒険」が思い出されます(笑)

フルモンティは1997年に公開された映画が元。その後ブロードウェイでミュージカル化され大人気を博した作品ということで、山田孝之さんの初舞台でもある。

映画「変態仮面」や「俺はまだ本気出してないだけ」を撮った福田雄一監督がどんな舞台演出をなさるのか、興味津々で行ってきましたよ~。

今回はあまり良いお席がとれませんで、ホールの一番後ろから3列目という位置。後方なのはいいんだけど、スタッフさんが座るコントロール席の後ろ側だったの。コントロール席は上演中もライトがついているので、暗転する場面でもそこが目に入るのね。

ちょっとイヤだなーと残念な気持ちで座っていたところ、何やら見覚えのある大柄で派手な服を着た男性が。彼は一番後ろの、4人だけ座れる小島のようなお席に座りました。

「あれ・・・?」

よくよく見たらあなた、演出の福田雄一監督ではありませんか!!(驚愕)

思わず駆け寄って声をかけたくなるわたくし。

「福田監督!私、監督のファンです!変態仮面サイコーでした!」

・・・いやちょっと待って、50のおばちゃんが発するには残念すぎないかその台詞(汗)

第一、これから舞台が始まるわけで、監督も演出家として舞台を見るのでしょうから、お邪魔ですわね。というわけで、ご挨拶は遠慮し開幕を待ちました。

さてこの先はネタバレでございます!ご注意くださいね。

 

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フルモンティとは「徹底的に」とか「すっぽんぽん」という意味で使われる造語だそう。かつては鉄鋼業で栄えた田舎町バッファローで、失業中の男たちが一獲千金を狙ってストリップをする話です。

機材トラブルとかで開始が10分ほど遅れましたが、無事に幕があきひと安心。ステージ上部に2階のようなスペースがあり、バンドはその上で演奏。開幕はまず、演奏から始まり、明るくパワフルなJAZZで幕を開けます。

山田孝之さん演じるジェリーはバツイチのさえない中年男。勤めていた鉄工所が閉鎖になってしまい、離婚した妻に養育費も払えず息子の親権を完全に失ってしまいそうになっている。愛する息子だけは失いたくないジェリー。しかしつまらないプライドからか、納得できない仕事には就けず、悶々と暮らしている。

そんな時、かつての同僚で親友のデイブと共に、職安に通っている時に、町の女たちが男性ストリップに夢中になっているのを見る。

ひょんなことから男性ストリッパーに馬鹿にされたこともあり、「俺たちだってストリップで大金を稼げる!」と考えたジェリーは、かつての上司や自殺しようとしていた元同僚も巻き込んで、ストリップの興行を決意。ダンスのうまい年寄りや、頭のネジがゆるんでるけど巨根の男もオーディションで発掘して、着々と準備を進めるが、意に反してチケットの売れ行きはいまひとつ。

チケットを売りこんだ女たちに「近所のおっさんがやることにお金は払えない」と言われ、キレたジェリーはつい「俺たちはプロのダンサーが見せないところまで見せる!フルモンティだ!!」と口走ってしまい、町は大騒ぎに。

フルモンティと聞いて満員のストリップ劇場で、予想に反して男たち(離婚した妻の彼氏まで)がいることにビビったジェリーは、舞台には上がれないと言いだし・・・

 

と、いうお話。

山田孝之さんって、なんであんなにダウナーな役が似合うんでしょうか(笑)本人は美形でまだ若いのに、舞台上では口ばっかり達者で実が伴わない、冴えない中年男にしか見えません。初舞台がミュージカル、という事でも話題になっていましたが、なかなかの美声でございました。

まぁ共演の鈴木綜馬さんなど、ベテランのミュージカル俳優さんと比べちゃうと、声量はまだまだって感じでしたけどね・・・。初のミュージカルであれだけ歌えれば、大したものではないでしょうか。台詞の声はさすがに良く通ってましたし。

個人的には大好きなムロツヨシさんが、良かった!頭のネジがゆるんでるけど、モノが大きいので採用されたイーサン役なんだけど、もうね~出オチと言っていいくらい、出現した瞬間にオカシイの(笑)

「ヤバイぞコイツ、なんかやる。絶対やる」

ってオーラが出てる(笑)実際、お話がけっこう進んだオーディションのシーンで初めて出てくるんだけど、台詞を言い出した瞬間に「来た来た来た!!」って感じでもう可笑しいの!

意味がわかんないんだけどイラつかない、絶妙な台詞まわしで客席がくすくす笑ってるところへ、反則とも言える

「演出家の顔色見てんじゃねーよ!ダメな役者だな!芝居は自分発信でやるんだよ!」

というアドリブとおぼしきセリフを 山田孝之さんに向けて吐き、客席大爆笑。なぜアドリブと思ったかというと、私の斜め後方にいらした福田監督が大爆笑されていたからです(笑)

他にもトリッキーな動きや絶妙な間があって、ムロさんが舞台上にいる時はほぼ笑いっぱなし。でも、マルコムのお母さんのお葬式のシーンでは、イーサンがただのネジのゆるんだ男ではなく、性根が優しく温かいヤツであることが表現されてて、じーんときました。

 

鈴木綜馬さんはさすがの歌と踊りだし、ブラザートムさんはもう60歳近いというのに、相変わらずやんちゃな雰囲気でステキ。しょぼくれたおじいちゃんの役なんだけど、歌いだすと色気があってカッコイイ!

気弱なマルコム役の中村倫也さんは歌がうまくてビックリだし、心優しきおデブ役の勝矢さんもとってもチャーミング。女性陣も歌はうまいしスタイル良くてカッコいいし、本当に楽しい舞台でした。

手っ取り早いお金儲けのために、ストリップというバカげた方法を思いついた男たち。裸になることで大切なものを失うのではないか、自分を見失うのではないかと逡巡するけど、実は守りたいものはそんなことでは揺るがない。

本当にバカげていたのは、取り繕おうとしていた自分自身の気持ちだった。

ストリップの成功と共に、明日からのそれぞれの生活も明るく前向きになるであろうと思わせるラストで、本当に楽しく素敵な舞台でした!

↑↑↑↑↑ ここまで ↑↑↑↑↑

 

いやー、笑ったわ~。舞台を見て、涙を流して笑ったのは初めてよ(笑)

終演後、客席はスタンディングオベーションで大拍手。ストリップシーンの後でバスローブを来た出演者の皆さんに、割れんばかりの拍手が送られてました。山田孝之さんたちがムロさんのバスローブを脱がせようとしたりして、最後まで笑わせられましたよ~。

あまりにも楽しく面白かったので、どうしても監督に言いたくなって、ホールを出るとき福田監督に

「監督、サイコーでした!楽しかったです!!」

と言わせていただきました。すると監督、

「ありがとうございます!」

と満面の笑みで握手してくださった(涙)いや本当に楽しかったです。曲もいいし、皆さん歌も最高にうまいので、ぜひ観てほしい!

2014年2月16日までの上演ですが、まだチケットを買える日もあるみたいです。ぜひぜひ~おすすめよ!

コメント

  1. ゆきら より:

    楽しい記事をありがとうございます!
    舞台の楽しさが伝わってきて笑ってしまいました。山田孝之さんがあのフルモンティを演じたとついさっき福田さんのTwitterで知り、検索してたらこのブログに。地方住まいで経済的に余裕がないのでなかなか舞台に行けないんですが、こちらのブログのおかげで、楽しませていただきました。
    ありがとうございます。(*^^*)

  2. まみろう より:

    >ゆきらさん、いらっしゃいませ。

    お返事が遅くなってしまって失礼しました。ありがとうございます!
    フルモンティ楽しかったなぁ・・・山田さんも福田監督も大活躍ですよね。
    こちらこそ、お読みいただき嬉しいです。
    コメントありがとうございます♪