息子の入学式も終わった4月11日、大友克洋原画展に行って参りました。
私にとって大友克洋といえば「童夢」。東北のド田舎に育ち、マンガといえば「花とゆめ」だった10代に、物凄いショックを与えてくれましたとも。
懐かしいなー。仙台駅前にあったエンドーチェーン内の本屋さんで立ち読みしたのが最初だったっけ。
その後、童夢をはじめ大友氏の本は買っては処分、買っては処分を繰り返し。AKIRAなんて3回も買いなおしたのに、結局手元に残ってません。バカです。
大友克洋原画展は、2012年1月に大友氏の画集が20年ぶりに発売になったことと、2011年3月に起きた東日本大震災のチャリティーとして、大友氏自身が主体となって出来ることを考えた結果開催されることになったとか。
チケットは2枚ひと組になっております。
1枚めは通常の入場券だけど、2枚めは原画展会場の出口付近に設置された箱に投入できるようになってます。
箱には復興支援として行われている活動が記されていて、自分が応援したいと思う活動にチケットを投入するしくみです。
会場は3331 Arts Chiyodaという元中学校だった建物。
美しいイラスト原画やAKIRAの全原稿が見られるとあって、入場前から鼻血が出そうになってましたわ。
客層はやっぱり、私くらいの年代の人が多かったかな。若い人もいましたけどもね。あとは、外国の方もたくさんいらしてましたね。
入場しすぐにAKIRAの王様アキラの表紙絵が。入り口から圧倒されて人々がなかなか前に進みません!私はあえて逆から回って見ていきました。
いやーしかし、マンガの原稿って本当にキレイ。色のついたイラストもキレイだけど、墨一色で描かれスクリーントーンが張られた原稿は独特の美しさです。
大友氏といえば緻密な建造物と、それが崩壊する様の描き込みがスゴイ。
「こんなとこまで線引いてある!」
「ぅおおこれはあのシーン・・・この後千代子おばさんの泣ける台詞が!」
人知れずコーフンするわたくし。このとき、絶対鼻息荒かったと思うの私(笑)
展示は絵だけではありません。
金田のバイクも
これは企画のために作られた飾り物じゃなくて、AKIRAファンの方が個人で制作した、実際に走行するバイクなんですって!
綺麗!キレイすぎる!!この形で本当に走るとかマジですか!?
寄付をすれば跨って写真を撮っても良いそうでしたが、ピーキーすぎて私にゃムリでした。
そしてもうひとつの展示、チョウさんの「ズン壁」
展示会場は当然ながら一切の撮影が禁止されてるんですが、金田のバイクとズン壁のあるブースは撮影OK。壁面は落書きスペースになっていて、数々の巨匠の寄せ書きが。
おお!高野せんせい!!
個人的には吉田戦車氏のヤツがツボでした。ぜひ現場で観てください(笑)
っていうか、この落書きスペースには日に日に漫画家さんたちの絵が増えているそうなんですよ。だから私が行った時と、今現在では描かれている量が違うのよね。
だから私も、原画展が終わるころにはもう一度行きたいと思ってます。
帰りにはしこたまグッズを買い
家に帰ってから画集とAKIRA全6巻をアマゾンで注文しました。AKIRAは買うの4回めです。
バカです!
満足しつつ帰り道の電車の中で、「大友氏のマンガが自分にとって特別なのはなぜか」をぼんやり考えてました。
漫画史に「大友以前・以降」が出来たくらいの方なので当然といえば当然なんだけどね。
で、思った。私にとって、大友氏を知るまでのマンガは、小説と等しく「物語を愉しむもの」だったのよね。
エースをねらえもベルサイユのばらも、ガラスの仮面もスケバン刑事も、絵で描かれているけど「物語」。極端な話、違う絵で描かれていても好きになった「話」だったのね。
でも、あの日今は無き仙台駅前のエンドーチェーン内の本屋さんで読んだ「童夢」は、圧倒的な「画」の説得力と幻惑に打ちのめされた初めてのマンガだったのよ。
違う絵じゃ納得いかない。
平面に描かれているのに、老人と少女が浮かぶ夜空の冷たい空気を感じるし、巨大な団地の隅々にまぎれもなく人々が生活している、と意識になだれ込んでくる情報量に、ある意味脳が機能停止してしまうのです。
圧倒されるってこういうことか。
ストーリーも衝撃的だったけどね。
それ以来、マンガを読んでて「好きな絵」とか「好きじゃない絵」とか「絵と話が合ってない」などと不遜なことを感じるようになりました(笑)
マンガ家ってストーリーテラーでもあるけど、やっぱり「絵師」なんだなってしみじみ思う。
若い頃の興奮と感激を思い出したりもして、とても良い時間を過ごせました。
大友克洋原画展は2012年5月30日まで開催されています。ぜひぜひご覧になってくださいな!
コメント
いいな〜…行きたいなぁ〜…
ヴィレバンで
「AKIRA1〜6までください」
ってスーツで大人買い(笑)
数十年の夢を叶えた瞬間でした( ̄▽ ̄)
時間だけはたんまりあるから
行こうかな(☆∀☆)
「さんをつけろよ、デコ助野郎!!!」は漫画誌における最高の名言(笑
>すぎさん、いらっしゃいませ。
こんにちは。
原画展よかったですよ〜。
AKIRAは最初、なかなかコミックスが出なくてね(笑)
一気に大人買いはホントに、嬉しい瞬間ですよね〜。
機会があればぜひ!
コメントありがとうございます。
>ぶにゃさん、いらっしゃいませ。
まぁ、ぶにゃさんったらお若いのによくご存知!
「俺たちゃ健康優良不良少年だぜ!」
も名言よね(笑)
コメントありがとうございます。