山田真哉氏、公認会計士なのだそうですが、数字ばっかりとつきあっているとは思えないほど、文章に説得力のある方。
などと思っていたら、氏いわく「会計は数学的なものではない」んだそうな。
ほほう。
そしてこの「食い逃げ~下巻」、会計士だからこそ日々の業務の中で感じる「会計(金銭)絶対主義」は妄想だ、ときっぱり言い放っています。
あとがきにありましたが実は草稿の段階ではかなりギラギラした内容だったとか。
筆者の、昨今の企業の「ビジネスと会計センスの解離性への無理解」に対する怒りが爆発していたようですね。
しかし山田氏の最大の功績は、小難しく感じる会計の世界を、会計とは全く無縁の暮らしをしている(と思っている)人々にわかりやすく間口を広げたところ。
ここで専門家として警鐘を鳴らすべきではないと踏んだらしい。
わたくしは経営の経験はありませんが、ビジネス経営がイコール会計という割り切れる絶対的なものではない、という話はよくわかります。
それにしても、作中に出てくる「黒田」、いかにもその辺の小賢しい学生にいそうなタイプだね。
身近にいたら間違いなく、イビります。
この新書、他の新書と比べて文字が大きい。そして非常にわかりやすい例え話が多用されていて理解しやすいし、何より話が面白い。
会計に興味はなくても、お金に興味が無い人は少ないでしょう。
どちら様もぜひ、ご一読を。
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