2006年に亡くなった漢文学者、白川 静先生の、「常用字解」が好きなわたくし。
「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」はとても面白い本でした。
その「楽しい」の続編であるこの本。
今度は「怖い」。で、やっぱり面白かった。
漢字は元々、象形すなわち絵であったというのは知られていることですね。
でも例えば「目」とか「口」とか「馬」とか、そのものがそのまんま表されているものならすぐわかりますが、状態や色を表す漢字がなぜその表記になったのかは、ちょっと考えても分かりません。
この本を読み、whiteを「白」という形に表現するようになった理由を知ると怖くなります(笑)
最近の若い人は、特に漢字に弱くなったと聞きます。
仕事で社員教育も担当しているわたくし、それは痛切に感じることがあります。
わたくしくらいの年代(40代です)だと多いのが「読めるけど書けない」という人ですが、今の20代の人たちの中には、読めないし書けない人がいる。
普通に学校出てるし、仕事をやらせても別に頭が悪いわけでもない。
なぜ字を読んだり書いたりができないのかしらと思っていたら、活字を読んでないからなんですね。
同じ若い人でも、「漫画が好きで色んなジャンルのものをよく読みます」という人は、比較的漢字に強かったり。
逆に全くどうにもダメ、という人は、ゲームはやるけど本は漫画でも全然読まないというような人に多いんですね。
別に文学作品や哲学書を読まなくてもいいんだけど、そんなにも活字から離れていていいのか。と思っちゃいますよ。
漢字は元々、「絵」なんです。
その成り立ちや、その形におさまった理由(と思われること)を知ると、漢字はただの「字」ではなく意味を持った「形」であることが分かります。
今回出版されたこの本は「怖い」エピソード満載だけど、それだけにバッチリ頭に残りますぞ。
それにしても前作「楽しい」は200ページ弱だったのに、今回の「怖い」は300ページ超えてるし(笑)
そこに「比喩としての表現」の意味を感じてしまいました。楽しいことは捻って伝えなくてもいいもんね。
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