ある程度の年齢の女性であれば、書店などでこのタイトルを見れば素通りはできないでしょう。それは子供を産んでいようと、産んでいまいと関係なく。
少子化は問題だ、とずっと騒がれているけど、本当に真剣に問題だと思っているのかしら。
個人的には、日本という国が「日本人」だけの国じゃなくなったって別にいいと思っている(乱暴?)ので、あんまり問題だと思いません。
少子化でなぜ困るのか、って話で出てくるのが「保険制度の崩壊」とかさ、結局「自分たちが将来困る」って話じゃん。
そんなの自分で備えとけ。って話で。
わたくしとしては、純粋に「自分が子供を産む機能を持っていて、それを使うか使わないか」というだけの問題です。
そうはいっても、産みたくてしかたないのに産むことが機能的に無理な人もいるのですがね。
この本、タイトルは「産まない理由」で、子供を産まない人の価値観とか言い訳とかがずっと書いてあるのかと思っちゃうけどそうではなくて、「産まない」「産みたい」「産みました」という色々な立場・考え方の人たちがそれぞれの考えや感じていることを話しています。
読んでて不快ではありませんし、「ああ本当に色んな人がいるんだね」と思えます。
特に「今の自分の自由を、誰かに奪われたくない」という意見は、自分もそう思ってましたから、よく分かります。
でもねぇ、一部には「は?何言ってんの?」と思う話もありますよ。
例えば「産まない」人の理由でね、「私に似た子供なんて欲しくない」とか、「お腹が大きくなった自分なんて許せない」とかね。
自分のことが嫌いなんですか・・・??
お腹が大きくなるったって、人生のうちのほんの何ヶ月の話ですよ。
しかもちゃんと気をつければすぐ元に戻るし。(わたくしは戻りませんでしたけど)
わたくしも子供を産むつもりはなくて、40歳になったとき「これでもう、自分は子供を産まないと決めた人になったんだ」と密かに覚悟を決めたんですが、人生って不思議なもので。
思いがけず妊娠し、無事に産めて産まれた子供も元気で育ってて、本当に産んでよかったと思っていますが、だからといって他の人にも無責任に「産め産め」とはいえません。
基本的に、妊娠・出産は女の側だけの問題だとわたくしは考えています。
男は何の役にも立ちません。
せいぜい、経済的に支えてくれってくらいのもんです。
精神的な支えにもなってくれたら、御の字です。
だから、子供を産んで育てるのには相当の覚悟が要ります。
「産まない」選択をした人たちは、その覚悟を分かっているともいえます。
その覚悟は、外から与えられるものではありません。
だから子供を産もうが産むまいが、その人が決めることであって、同じ女であろうと親であろうと、周りが口を出すことじゃないんです。
って私は考えていたんだなぁ、と自分の思考をはっきりさせてくれた本でした。
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