よほど人間嫌いだったり、偏屈だったりしない限り、「魅力的な人になりたい」と思わない人はいないでしょう。
この本、題名がとっても良いと思うんですけどどうかしら。
「あなたが魅力的になるために」じゃないんですよ。「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」、つまり「あなたが魅力的である」ことは前提になっているんです。
素敵!
どんな人にもその人の魅力ってあるものですからね。
さて魅力的な人って、どういう人かしら。
自分がルックスに恵まれていないことを、幼少期から知っていたわたくし。
思春期の頃はふてくされて(?)自分を磨くことなど考えもしませんでしたが、10代の半ばごろ、あることをきっかけにその考えが変わりました。
それは「演劇」でした。
そう真剣に取り組んだわけでもありませんでしたが、学校の部活動やら、ボランティアの人形劇やらの活動でも、自分ではない誰かの人生を表現する喜びは、そのまま自分自身を大切に思うことへと変化していきました。
「変わったことや劇的なことがなくても、あたしはこの世にひとりしかいないあたしなんだ」
そう思うことができたんですよ。
それからは、ルックスに恵まれていないなら、せめて内面は魅力的な人になりたいと思うように。
表情や話し方、発声のしかたまで、色々と考えるようになったものです。でも所詮素人考えだから、今思うととんちんかんなこともだいぶやってましたが。
この本では、演劇のプロである筆者が実際にワークアウトとしてやっている方法や、「魅力」の考え方について述べられています。
鴻上氏のエッセイも好きなわたくしですが、やはり考え方がクリアな方は書くこともクリア。
非常にわかりやすいし、その考え方にも共感します。
別段人前で話すきっかけなどない、という人も、読んでみると「自分の魅力」と「価値」について考えるきっかけになると思います。
コメント